横浜ファン
私の記憶が確かならば、小学校4年のときだったか、今は亡き親父の影響で野球を始めた。
そしてひいきの球団と言えばこれも親父と共に「読売ジャイアンツ」だった。
王貞治が自分と同じ左利きということもあって草野球のポジションはファーストを希望することが多かった。
そんな王にかげりが見え始めたころ、巨人軍の栄光も廃れつつあった。勝って当然のチームが負けてばかりいる姿に嫌気がさし「もうこんなチームのファンはやめてやるんだ」と思ったものだった。
そんな時、それまで川崎球場を本拠地にしていた「大洋ホエールズ」が平和球場を本拠地にするというニュースを耳にした。
いよいよ地元横浜にもプロ野球チームができるのだ!
これだ!地元のチームを応援しないでどーするのだ!?と、今でも不思議に思うくらい簡単に気持ちを切り替えることができ、それ以来アンチ読売の道を歩むことになったのだった。
今思えば「なんでこんな最弱のチームを好きになってしまったのだろう?」と首を傾げてしまう。そもそも読売が弱いからファンをやめたのに余計に勝てないチームのファンになるなんて馬鹿すぎる。
最近じゃ「あれ?オレって野球好きなんだよなあ?」と自問自答してしまうぐらいプロ野球に興味がなくなってきている。
けど、本当のファンはどんなにチームが弱くても足しげく球場に通ってけなげに選手を応援するんだよなあ。
勝てないからファンをやめるってのも、とてつもなく愛がないような気がしてしまう。
来年はそんな自分を反省して久しぶりに球場に行ってみようかと思っている。いくらクソ負けしてもいいから(勝つ試合を見れるチャンスは非常に低いんで・・)。
負けても怒るまい。
そう思わせてくれたのも、今度日ハムから移籍してきた「ひちょり」のおかげだろう。
あんだけ球団がむちゃくちゃな状態だというのに、自ら進んで「弱いチームを強くしたい」と飛び込んでくる者がいるのだ。「ファンを楽しませたい」と言って。
まともな選手ほどFA権を取得したらとっとと去っていきたいと思うだろう。自分の選手としての価値をもっと広げられる可能性があるのだから当然だ。
それなのにこの先どうなるかもわかんないであろう危険地帯に自ら足を踏み入れていこうとするその勇気がすごい。
危険だけどそれを乗り越えたときの感動といったら言葉にならないほどなんだろうな。
だから、この選手を応援したい、と心底思った。
彼ががんばってるなら読売にクソ負けするような試合を見に行ったとしてもきっと楽しい気持ちで帰れるだろうと思うのだ。
早くペナントレースが始まんないかなあ、なんて思うのは本当に久しぶりだ。