試乗ザ・アーカイブ~最終回・前編
このシリーズも久しぶりだけどとうとう最終回を迎えることになりましたあ。前編だけど。
話しは今年の3月中旬までさかのぼる。
ゴルフGTIの商談がまとまらなかったのでそれと同クラスのクルマはないかと考えた。
そしたら国産車で一つ気になるクルマがあった。
コンセプトはだいぶ異なるが走りの面ではむしろコッチの方がエキサイティングかもしれない。
それは「スバル・インプレッサWRX_STI_Aライン」だ。
これがまた2.5リッターのエンジンで300馬力ってとてつもないエンジンなわけで。それでオートマという。
これならきっとゴルフに負けないくらいの加速感を味わえるとふんだ。
でも、なんつったてスバルなんて会社の存在自体あまり認識してなかったし、軽自動車だけ造ってるダイハツのようなもんだと思っていたから最初から候補に入ってなかった。
インプレッサの存在は知っていたけれど、三菱のランエボとかと同等で、漫画「イニシャルD」とかに洗脳された走り屋が乗るクルマであっておっさんにはまるで縁のない世界だと思っていた。
でもまあどーせ「試乗荒らし」だし、一度は乗ってみたかったってのもある。しかも当時、家から一番近いクルマのディーラーがスバルだったってこともあって「冷やかし」にゃ持ってこい、ということで相変わらずのアポなしで出向いてみることにした。
行ってみると入り口に回転寿司屋の「本日のおすすめのネタ」みたいに「今日の試乗車」ってボードがあった。
見ると目当てのインプレッサはない。1.5リッターのはあるがそれじゃしょーがない。
一応ディーラーのあんちゃんというか「おじあんちゃん」に「Aラインはないですか?」と聞くとやはりないという。
うーん、と悩んで予約だけしてとっとと帰ろうと思った。するとおじあんちゃんが「レガシーのターボならあります」という。
「レガシー??だあ??今どきツーリングワゴンだあ?」
正直そう思った。
どっちみち冷やかしだし、しょーがないから今日はそれでいっか、と乗ってみることにした。
ところが、これが運命の出会いになろうとは、その時知るよしもなかった・・・。