斬新の機転
家づくりに話を戻そう。
新土地でのプラン作成を各社に依頼する前のことだ。
維水志家にとって、その存在自体が風前の塵となっていた工務店「斬新」が、例の印象的な内覧会で起死回生の一発を放ったのは、数回前の記事で書いた通りである。
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新土地は見つかったが、まだその概要はわかっていない頃の話だ。
あんな素敵なおうちを建ててくれるのなら是非とも競合に参加していただかないといけない。
担当の原口さんに、マイハニーが内覧会のおうちをとっても気にいったと伝えると、「うちにも是非やらせてほしい」と言うのだった。
そして「じゃあ、建築士を変更しましょう!」とおっしゃる。
斬新には提携している建築士が10名近くいて、その中から施主と一番馬が合いそうな建築士を原口さんが独断で選んで紹介する、というシステムを取っている。
で、最初、維水志家にピッタリ!と彼が選んだのが一級建築士のシノラー氏である。
斬新の窓口の原口さんとの初顔合わせの際のヒアリング時間がそれこそ30分もかからずに随分と拍子抜けをしたものだが、そんなんで選ばれた維水志家担当の建築士がシノラー氏だった。
その最初に決めた建築士を、例の内覧会のおうちを建てた別の建築士に変更する、とおっしゃるのだ。
そもそもあの会談の中の、どこのどーゆー部分を基準にしてシノラー氏を我々にあてがったのかは不明であったが、シノラー氏同伴の初面談でその理由がわかった。
単に、「ネコ好き」ということだったのだろう。
氏もネコちゃんをたくさん飼っている、という話を聞いてそう思った。
その時は「え?それだけかよ?」と、ちょっとその安易さに愕然としそうになったが、後で、実は別の理由があるような気がしてきた。
彼には異なる土地でトータル3つのプランを考えてもらったのだが、それらを見ていて「ひょっとして・・・」と思い当たるふしがあるのを思い出した。
それは、どのプランも普通過ぎる、ということなのだ。
機能面ではとても理にかなっていて、素人的に見てもよくまとまったプランなのだが、維水志的にはどーもピンと来るものがなかった。
で、なんで普通なのか?と言うと、そーいや、原口さんとの初ヒアリングで、確か維水志自身がこう言ったんだ。
「外見とかは特にこだわりはありません。そして機能がちゃんとしていれば普通でいいです」と。
今から考えればそれが原因かな?と考えられる。
だが、こうして家づくりを進めていく中で、実は維水志はユニークな家が好き、ということが見えてきた。
彼らには申し訳ないが、当初は維水志自身が、どんな家に住みたいかがまだ漠然としていてはっきりとしていなかったから、あんな当たり障りのない発言をしてしまったのだろうなと分析し、反省している。
家づくりを始めるにはある程度ビジョンを持ってないといかん。当たり前のことなのだろうけども。
そう。
そして新たに我々の担当をしてくれるのが、例の内覧会の家を設計した一級建築士「のび太氏」である。
実は内覧会の時、我々夫婦はのび太氏に合っている。
ちょうどその場にいて、建築士自ら他の客に説明をしていたところに鉢合わせしたからだったのだが。
とても建築士には見えないその容貌の彼が、まさか、我が家担当になるとは、これまた因果なものである。
担当の原口さん曰く、彼は光を取り入れるのがとても上手な建築士なのだそうだ。
原口さん自身も建築士の免許を持っている。
その彼がのび太氏の設計図を見て「え?こんなとこに窓を造って光が入るのかな?」と疑問を抱いてしまうのだが、実際に出来上がった家を見ると見事に明るい家になっているのだそうだ。
そーいや、内覧会の時も、それらしき穴?が階段の一部?みたいなところにぽかんと開いていたのを思い出した。
確かに最初は「なんだここ?」と思ったが、「ああ、たぶんこれで明るさが増すんだろう」とすぐに理解できた。
こんなエピソードも教えてくれた。
あるところでは南側に窓がほとんどなく、西側にどーっん、と大きな窓のある家を設計したそうだ。
そんなん作っちゃったら西日が気になるところだが、大きなキャノピーが張り出していてうまく西日を遮ってくれ、むしろ西側の壮大な景観を殺さないで済んだことでとても開放感がある家になったのだと言う。
そんな話を聞いていたら、
「そんな彼を人は『光の魔術師』と呼ぶのです」
おお、なんか期待できそうだ。
あ、でも新土地は真四角で光も十分に入りそうな場所だからなあ。
むしろ四面楚歌の土地の時に彼にプランを立ててもらえばよかったかも。
もう遅い。
簡単に担当を変わってもらうことになってしまったが、シノラー氏、それまでありがとうございました。
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