アニメ・クロニクル 003.2
十二国記 「風の海 迷宮の岸」
前回の続きです。今回は陽子との関りは多少あるものの、陽子メインのエピソードを本編とするならば、こちらは完全に外伝的なストーリーになります。
とはいえ、本編に負けない魅力的なキャラが多数登場し、この世界に対する興味をますますかきたてられることになりました。
↓このエピソードの主人公、泰国の麒麟、泰麒(たいき):CV 釘宮理恵関連記事
※本作品をご覧になっていない方には完全にネタバレとなりますのでそれをご承知の上ご覧ください。
※yahoo画像検索より画像を拝借いたしました。ありがとうございます。
ここでは陽子ではなく、500年続く大国「雁(えん)」の王が語り手として登場します。
彼は陽子と同じく日本で麒麟に選ばれた海客(日本から来た者をそう呼ぶ)の王です。
ここがおもしろいとこなんですが、つまり彼は500年前、つまり16世紀の人なわけですね。その彼が21世紀の人である陽子と共にいるわけです。十二国記の世界観の設定のせいでこんな付随的なおもしろさも加えられる。
その雁王の命を受けた彼の麒麟、雁麒(えんき)が行方不明の泰国の麒麟を探す、というのが本筋です。
あらすじ
泰国の前王と前麒麟が死ぬと、世界の中心にある樹木に次の泰国の麒麟の実がなります。
ところが、こちらと日本の世界をつないでしまう時空のゆがみみたいな「しょく」という現象が起きてその実が日本へ流されてしまうのです。ちなみにこの現象で日本からこちらへ流されてくる者もいるわけですね。それが海客です。あと麒麟は意図的にこの現象を起こすことができます。
で、流されてしまった実は適当に人間のお腹に宿って人間の子として生まれ普通に生活を送ります。もちろん自分が異世界から来た者だと自覚することなしに。
麒麟の実だけでなくこの世界の人間はみな実から生まれるので、他にもそういう人が日本人として暮らしている可能性がある、という設定です。ちなみに陽子はこのタイプです。
で、麒麟が成獣になるまでその世話をする侍女や妖魔がいて必死にその行方を探します。
雁国の麒麟や他の国の協力を得てやっとのことで日本のとある町で暮らしている泰麒を見つけてこちらへ連れて帰ります。
しかし、自分が人間だと思って暮らしてきた者にとって「おまえは麒麟だ」と言われてわかるわけがありません。そもそもこの世界を受け入れることから始めなければいけないわけで・・・。
麒麟は人間の姿にも獣の姿にもなれるのですが、後者になることを「てんぺん」と言い、泰麒の年齢だともうじゅうぶんにてんぺんできていーわけなのですがそれができない。
世話係の侍女や周りの期待に添えず彼は小さな心を痛めます。
その上、麒麟は王を選ぶと言うとても大事な使命があるのですが、そんな大それた役など自分にはできないとまた苦悩してしまいます。
そーゆー心理描写がとてもよく描かれているところがこのアニメの優れたところであり見所です。
やがて王を選ぶのですが「こいつを選んじまって本当に良かったんだろうか?」というような悩みが付きまとうのですが、それも周りの人たちのサポートによって解決に至ります。
それで一見落着かと思いきや、その後なんらかの事件により泰王、泰麒とも行方不明になってしまう、というのがオチです。つまりまだ未完。原作の小説も未完で続きが待ち望まれています。
個人的に好きなエピソードは泰麒が自分の部下の妖魔を手なずける回でしょうか。
麒麟は「しれい」と呼ばれる妖魔を従えているのですが、それは麒麟自身が死んだときに霊力のある自分の体を妖魔に食わせてやる、という約束を元に結ばれる契約なのです。
で、強い妖魔を手なずけるには麒麟自身も相当な力を持っていないといけない。
まだてんぺんもできない泰麒ですから小物も手なずけるのが大変なわけです。ところが、あるとき超ど級の魔物に出くわしてしまいます。しかし彼は周りの人たちを守ろうと小さな体に目一杯気合を入れてこの魔物を手なずけてしまうのです。
「くだれっ!!!」
これがまた鳥肌もんですかねー。
つづきリンク予定
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