アニメ・クロニクル 003.3
十二国記 「風の万里 黎明の空」
※本作品をご覧になっていない方には完全にネタバレとなりますのでそれをご承知の上ご覧ください。
前二つの話があまりにもおもしろく、ここまで楽しませてもらうとさすがにもうネタが尽きるかと思いきや、実はいみなし的にはこの3つ目のエピソードがさらに上を行くと思うくらい中身が濃くて好きなのです。
ここでは陽子を含め、陽子と同じ年頃の少女を中心にそれぞれ話しが展開していきます。
年齢以外ほとんど共通点のないこの3人がある事件をきっかけに見えない糸に手繰り寄せられるように1箇所に集まってくるのです。
三人が接触し始めるところから盛り上がっていき、ピークがたまらないです。よくこれだけのことを考えついたものだと感心してしまいます。
まず、三人のことに触れておきましょう。
1.陽子:
慶国の王となった陽子。しかし、王宮にいてもこの世界のことが何一つわからずいつも高官たちにいいようにあしらわれているようで落ち着かない。そこで彼女は内緒で下界に降りてみることにする。いわゆる遠山の金さん的な。賢人のところで学ぶため村に降り立った陽子だが、自分の国であるそこで信じられない圧政が繰り広げられているのを目にするのだった。そしてその原因を突き止めるために動き出す。
2.すず:
名前の通り日本から流れ着いた海客である。大正時代あたりか、こちらへ流され言葉もわからず苦しんでいるときに出会った鬼のような高官に懇願して王宮に仕える者となった。それゆえ年も取らず言葉もわかるようになりこの世界にいられたが、主人の意地悪に耐えかね脱走し采国の王に助けを求めるに行く。その後、慶国の新しい王が海客だと知るすずは慶王に頼んで日本に帰してもらおうと慶王にあう決心をする。
3.しょうけい:
元芳国国王の娘。芳王の大量殺戮に匹敵するほどの悪政のため国民の数は減る一方。耐えかねた家臣たちは反逆を決意する。暴動は成功し王と王妃は首を刎ねられ死去。娘であるしょうけいは宮廷の籍をはずされ身分を隠したまま村人としての生活を余儀なくされるが、やがて正体がばれてしまう。あらゆる国民からあだ討ちの対象となっているしょうけいは元家臣の温情により国外追放となるも、かつての自分と同じように何不自由ない生活を送っている王になりたての慶王を逆恨みしながら旅に出る。
それぞれが旅に出た始めの動機が徐々に変化し、様々な出来事を通して心の成長があります。
やがてすず、しょうけいは陽子と出会います。慶王とは知らずに。
こんな展開ですからもうハラハラドキドキなんですわ。
いやあ、もううだうだ書くより見てもらうのが一番!
「これをもって、初勅とする!!」
だろうな、やっぱ。
これが実質的な最終回に見えますが、もう一編あります。そしてアニメ化されていないエピソードもいくつかあるわけで。
是非続きが見たい。
ちなみにあとアニメ化されたのは「東の海神 西の滄海」という雁(えん)国建国当時の話しです。
つづきリンク予定
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