卒検 ザ・ドキュメント
朝、7時に目が覚めてしまった。
やっぱ遠足前の子供の心境だったのかな。
しょーがないんでストレッチをしてよく足腰を伸ばしといた。
さあ、いよいよ本番だ。
気にかかるのは、急制動。それと昨日の見極めの最後に踏み外した波状路だろうか。
後はコースを間違えずにやれるかどうかも不安材料の一つではある。
そこで一応、見極めのコース票を家でスキャンしてコースの矢印を消してから印刷した紙を8枚用意した。
卒検コースは試験前に通達される。この無印の票を使って自分のコースを鉛筆でたどって効率よく覚えるためだ。
いざ、教習所へ!
教習所の集合場所へ着くとメットを抱えている人が3人いる。
水曜の午前中なんて受験者は自分だけかと思ってたが違った。
やがて二輪受験者だけで集合。
今日の受験者は自分を含めて四名だ。
最初に「審査」と呼ばれる人がいて、大型二輪二名、中型一名である。
自分の順番はどうやら3番目のようだ。
ラッキー(# ̄ー ̄#)V
これでコースを覚える時間は確保できた。
きのうアンラッキーだったのがよかったね。
まずは試験の説明を一通り受ける。
だが、「あれをやったら○点減点、これをしちゃったら試験中止云々・・・・」と永遠にネガティブな話しが続くため気持ちがどんどん暗くなっていくのだった。
「だ、だいじょぶか?完走できんのだろうか?」
そんな思いを断ち切るように手渡されたコースに目をやる。
道順を覚えると言うより課題の順番を覚える、と言ったほうがいいだろう。そーすると覚えやすい。
坂道発進、クランク、踏み切り、スラローム&一本橋、S字、急制動&波状路なのだった。
用意した紙を使う必要もないくらい簡単に覚えられた。
だが、その紙を用意したのは覚えるためだけではない。
イメージトレーニングをするためだ。
コースを指でたどりながらウィンカーを出す位置や交差点の曲がる位置、右左折によっての位置取りなどを完璧にチェックする。
うむ。用意してよかった。
ほどなく最初の「審査」と呼ばれる人の試験が始まった。この人は結果もすぐに教えてもらえるのだそうだ。
なぜだ?
後でわかったがオートマからミッションへの限定解除だったそうだ。だがそれだと何故最初に一人だけ結果がわかるのかは不明。
その人の試験は見ないようにしてイメトレに集中。5回ぐらいやったらもう飽きた。
コース間違えの不安はすっかりなくなった。
やがて「審査」の人が発着所へ帰ってきて教官二人と共に校舎へ消える。
そっからがやたら長い!
9時ちょい過ぎに発着所に行ったはずなのに9時からの教習時間が終わってしまった。
いったい「審査」の人は何をやらかしたんだ?
休み時間が終わり10時からの教習が始まる頃にようやく教官が現れた。
「お待たせしましたー」
本当にそうだ。^( ̄□ ̄#)^ψむき~
緊張を通り越して疲れてきたし眠くなってきた。
そして私の前の、たぶん同年代であろうシミュレーターで一緒だったおじさんの番になった。
さあ、次は自分だ!最後のイメトレをやろう!
そう思ってふと顔を上げると、試験中のおじさんの姿が目に入ってきた。
見てて「同じコースっぽいな」と思ったんでそのまま目で追うとクランクに入った。ちょうど我々が待っている発着所の正面がクランクの出口だ。
すると、
あーーーーーーっ!!!∠( ゚д゚)/
転倒!!!
い、いかん!いけないものを見てしまった・・・。
忘れるんだ、忘れるんだ、忘れるんだーーーーーーっ!!!
と思っても見ないわけにはいかない。
なんで?バイクの調子が悪いの???
当然、一発中止だろうし、すぐ目の前だから慌ててメットをかぶって準備を始めると、なんと再開したのだった。
え、なんで?
バイクのせいだからやらせてもらえるのかな?
そんな疑問をよそにおじさんと教官二人はコースに復帰していったのである。
おじさんは相当パニクったのだろう。バイクを起こしたあと、またがってからサイドスタンドを払っていた。
やがて戻ってきたおじさんに声をかけるわけにもいかず無言を貫いた。
ひとごとではない。
いよいよ自分の番がやってきたのだ。
番号と名前を告げてバイクに向かう。
よっしゃー!!
やったるで~(+・`ω・)9
コースは完全に頭に入ったからだいじょぶだ。ちょっといやな予感がしたクランクも別に問題なかった。
ちょーっと、スラロームが時間がかかった気がした。どうもいつものようにスムーズにはいかなかった。なぜだ!?
急制動もさんざん試験中にまでフロントブレーキをかけたのが効いたのか、何も問題なく止まれた。
すべてスムーズに来たので最後の波状路は思い切って早めに済ませた。
昨日の見極めの練習で最後に踏み外したのがトラウマになってたのでちょっと嫌だったからそうした。どーせ4秒台だったとしてもマイナス5点で済む。中止よりはましだ。
なんとかうまく渡れる、と確信を持ったときに速度を緩めた。
無事、完走!( ̄(エ) ̄//゚
後は結果を待つのみとなった。
うん。
いけそうだ。
自分的に気がかりなのはスラロームのタイムだけだ。
それがクリアなら満点じゃね?
校舎へ戻るとクランクで倒してしまったおじさんがうなだれていた。
かける言葉もない。
後で教官に聞いてわかったが、ギア抜けをしてしまったのだそうだ。
やがて教官に呼ばれたおじさんが戻って来るなり次の予約と支払いをしていた。
そして・・・・。
「はい、二輪の人!」
おお、まとめて呼んでくれるとは・・・・もしかして・・・・
合格?
中型の若者と二人でいそいそと二階の教室へ向かう。
この時点で確信を持ったが「合格」の二文字を耳にするまではわからん。
そして・・・・。
「はい、維水志さん、合格です!」
「ありがとうございますっ!!!」o(*^▽^*)o~♪
やたーーーーーっ!
もしかして、満点?
「いやー。維水志さん、ギリギリだったね」
「へ???????」なにをおっしゃってんだ、この人は?
「いやー、自分でもどこが悪かったかわかんないでしょ?」
「え、そーなんですか?」当たり前や。完璧だったじゃんかー。
「ガードがね。パイロンにちょっとかすったんだよね。それでマイナス20点」
Σ( ̄ロ ̄lll) ガビーン ΣΣ┏(_□_:)┓iii
「それでタイムもね、7.1秒でマイナス5点」
Σ( ̄Д ̄;)がーんっ!
「で、75点で合格」
「・・・・・・・・・・。あ、あぶない・・・・ホントに・・・」
「あとねー、波状路、足りないかと思ったら5.1秒でギリギリセーフだったんだよねー。あれ、足りなかったらマイナス10点で65点だったよ」
「・・・・・・・・・・。あ・・・・・。よ、よかた。最後にちょっと速度緩めて・・・・」
そんな結果だったのである。
いやー。
くそーーーーーーっ!!!もう一回受けてーーーーーっ!
い、いや。受かったんだからもういーんだ。
合格なんだ。合格。
けど、パイロン以外の減点がないなんて・・・。それがなかったら・・・・。
いや、もしかしたらオマケしてもらったのかもしれない。
以上が卒検ザ・ドキュメントである。
これが維水志萌一なのである。
なにをやっても中途ハンパ。
これはたぶん一生続くのであろう・・・・。
ともあれ、これで3週間にも満たない短い教習所生活を無事に終えたのであった。
最後に応援してくださった皆様、ありがとうございました。(o^∇^o)ノ
維水志、明日、二俣川にて大型免許取得いたします。
↑最後まで読んで頂きありがたき幸せでごんす(@^0^@)
「それで大型免許所持者でいーんか?」「おじさんが・・・」などなど、いろいろと感想もおありでしょうが、クリックひとつ是非とも恵んでくだされ~o(〃'▽'〃)o