かにや横丁の愛
どこの店も5時で閉店のようである。
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たくさんある店の一つを覗いていると、
「お兄さん、どうですか?サービスしますよ~」
と、声をかけられた。
この「お兄さん」という呼称は実は重要である。
ごくごくフツーに受け入れてはいるが、これが「そこの、オジサン」とか言われたら、
「お、オジサン・・・?」と思わず噛み付きたい気分に襲われるだろう。
十分オジサンであるにもかかわらず、だ。
男性でこれだから、女性の場合はなおさらだろう。
教訓:知らない人に向かって絶対に「オバチャン」とか言ってはならぬ。
それはそうと、その自然に発せられた「お兄さん」という一言により、コミュニケーションがスムーズに進んでいくのである。
「バイクなんだよね~。かさばるでしょ?」
と言うと、発泡スチロールの箱を出されたので
「あー、ちょっとそれだと無理だわ。ゴメンネ」
と丁重に断った。
そりゃそーだ。なんたってカニだもん。
なが~い足がいっぱいあるんだ。かさばるに決まってる。
う~む。カニ土産もNGなのか。
引き続き、他にも何か土産になりそうなもんはないかと店を見て回るが、カニに勝るものはなさそうだ。
すると、「地方配送承ります」という掲示が出ている店があるのを発見。
「だよな。ここは送料がかかってもカニにすべきだろう。せっかく新潟まで来てるんだし」
で、この地方配送は掲示が出ている店しかダメなのだろうか?
できればさきほど「お兄さん」と声をかけてくれたお店で買ってあげたい。
「サービス」という言葉に惹かれている、というのが本心。
で、その店に戻る。
すると、
「あら、お兄さん、戻ってくてくれたの?」
と景気のいい対応が。
こ、ここはキャバレー?
維水志:「ここは配送もオッケーなの?」
お姉さん:「だいじょぶよ。でも明日発送になっちゃうよ」
維:「それで構わないよ。どんなサービスしてくれんの?」
姉:「じゃあこの三千円の大きいカニ二杯で五千円、それに小さいの二杯サービスで付けるわ」
維:「わあ!そんなに?じゃ、それで!」
と、あっという間に商談はまとまった。
小さいのは500円と書いてあるが、立派な紅ズワイガニである。ただでは食えない。
嬉しいサービスじゃないか。
住所を記入する。
そしてお金を支払おうと準備をしていると、お姉さんがおもむろに900円の中ぐらいのカニを二杯、新聞紙の入ったビニール袋に入れながら、
「これは凍っているから、溶けたら途中で食べてね」
と、維水志に差し出すではないか。
「えーーーーーーっ!?こんなにぃ!?いーのぉっ!?」
てっきり、近くにいるお客さんに渡すもんなのかと思ったが、お姉さんの粋な心意気なのだった。
いったん離れた客が「戻ってきた」という事実が親近感を生んだからか、とか、維水志がハンサムだったからか、とか、もう閉店間近だからか、とか、そーゆー野暮なことは言うまい。
愛。
そこに愛を感じた。
そして救われた。
あ、ありがとうございます。かにや横丁のお姉さん。
長福丸のお姉さん。
維水志、やさぐれた心がどんだけ癒されたかわかりません。
次にここに来たときには、いや、来なくても新潟からカニを買う時は絶対に利用させていただきます。
はあ・・・。
心があったかくなったよ。
で、そのもらったカニさえ現状ではもう積むスペースがない。
仕方ない。
シートバッグの高さを一段上げよう。
実はこのラフ&ロードのシートバッグ、チャックを開けるとびよ~んと高さが伸びて容量が一気に25%増しぐらいになるのだ。
よし、これでカニ二杯が余裕で入るようになった。
溶けたときにカニ汁がバッグ内にこぼれないように、ビニールの口だけを外に出す。
よかったあ(´∀`)。ここに来て。
これで帰り道はほんわかと心地よい気持ちで走れるよ。
もう5時を過ぎた。
糸魚川までは近い。日があるうちに景観を楽しむことができるだろう。
道の駅を発つ。
暫くして糸魚川駅に到着。
そうそう。松本とここを結ぶ大糸線の景観をテレビで見たのだ。
テレビではここが終点だった。
さて、維水志はここを出発点として松本市を目指しまっせ。
かにや横丁に元気をもらって日本海を後にする維水志なのだった。
つづく。
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