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最後の夜は語るんだ

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7月4日(金)。

なんとか時間通りに宿入りをした我々は、3人で過ごせる最後の夜を迎えようとしていた。

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予約した部屋は個室。普通の部屋より千円高い。

が、見た感じ、超大部屋があるようでもない。だったら3人以上は同料金で個室利用可にしてくれりゃいーのに、と、ちょっと思った。まあもともと低料金だけに、たった千円の差が大きく見えてしまうわけだが。

20分遅れの隊長も来て全員集合。

今日は設営も何もいらないし、食事も用意されている。

ゆ~ったりとみんなで語らいあえるね。

18時過ぎには宴が始まる。

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ジンギスカンが食べ放題だ。

このタイプ、懐かしいなあ。もう何十年も前に北海道に初めて来たときは、ジンギスカンと言えばこのタイプだったよ。

が、札幌ビール苑も2回目に訪れたときはもう普通の焼肉タイプに変わっていた。

ここのは形は同じだけど、昔食べたのと比べて厚みが断然ある。確か1枚75gもあるって言ってた。

一方、これがラムなのかマトンなのかはわからなかった。

写真では9枚に見える。

ってことは一人のノルマが3枚なはずなのだが、なんか4枚以上は確実に食べたような・・・・。

従ってお肉のお代わりはしなかった・・・・よな。

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他には少しだけどカニとホタテもついているよ。

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タレのお代わりがテーブルには見当たらなかったが、言えばもらえたのかどうかは不明。

食事は他の宿泊客と肩を並べていただく。民宿ならではだね。

皆さん、もちろん一杯やりながら、なのだが我々はこの後バイクで温泉施設へ行くためアルコールは抜きだ。

面白かったのが、単身ライダーさんの社交性。

積極的に他の方々に話しを振って会話を盛り上げてくれた。

さすが営業マン。

「だって、その方が楽しいでしょ」と言っていた。

確かに!

一方、中標津の宿では超社交的だった隊長が、ここでは別人。

自分の役目は今日はない、単身さんに任せた、とばかりに、話しかけるなオーラを出しまくっていた。

そう言う維水志だが、三人の中では確実に一番の人見知りである。

打ち解けるまでに時間がかかる。

道中、観光スポットで他のライダーに会うと、隊長は確実に「こんにちは」って声をかけていたが、維水志からライダーに話しかけることは一度もなかった。

そんなんだから単身さんの明るさはこの倶楽部には絶対に必要だね。

お腹いっぱいになったことだし、後は温泉でくつろぎ、コンビニで買い出しをして戻って二次会だ。

ここでまたナビに誤った道を指定されて迷いそうになったが、温泉の看板を頼りになんとかたどり着いた。

まあお陰で夕闇にひっそりと広がるクッチャロ湖を見ることができたのだけれど。

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はまとん別温泉ウィング。

どんな風呂だったか覚えてないや。

温泉にじっくり浸かってストレッチをすることでだいぶその日の疲れが取れることがわかったから、ここでものんびりと時間をかけて入った。

なんたって翌日は〆の400キロを走らなければいけない。

20時40分。コンビニで一人一つはおつまみを購入するのがお約束。酒は自分の飲む分だけね。

が、維水志はおそらくアルコールを入れたら、ばたんきゅ~、となりそうだから小さいのにしておいた。

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21時。二次会開始。

さあて語るぞ~。今日で最後なんだ。

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とりあえず乾杯だあ!

維水志を除く二人はまだ明日以降も旅は続く。

なので計画を立てないといけない。

一方、自分も解散後、どこによるか考えないと。

そんなことをしていたら頭が朦朧としてきた。

一度、喫煙タイムがあって二人は宿の外へ。

維水志は荷物の整理を。

再び食堂へ戻って、さあ今度こそ語るのだ、と思った矢先・・・・・、

もう話しが聞こえてこない。

たまに、

「維水志さん、聞いてないでしょ?」

「維水志さん、今、寝てたでしょ?」

という隊長の声が聞こえてようやく意識が戻るのだった。

だ、ダメだ。

なんということでしょう?

永遠と夜を語り明かすつもりが、即沈没してしまったのだった。

これまでたまった旅の疲れもあろう。

宗谷岬到達という目標を成し遂げたという安堵感もあろう。

宿泊というあまりの心地よい環境に気が緩んだ、ということもあろう。

維水志、もうそこが限界だった。

そんな不完全燃焼のまま、翌朝を迎えたのだ。

が、

「今日で、もう解散なんだね」

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翌朝、シマリスがカワイイ姿で歓迎してくれたよ。

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宿の方々と記念撮影。

7月5日(土)。8時10分。

宿を発つ。

三人で上富良野まで最後の北海道ツーリングだ。

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