復興フラッグを見て帰ろう
7月5日(土)。19時、苫小牧港を出た維水志は、翌朝10時に仙台港に到着し、その日のうちに神奈川の自宅を目指して東北道をひた走るのである。
けど、その前に。
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維水志の乗ったのは新・いしかり号。
S寝台と言っても、こんなもんだ。
行きに乗った、八戸フェリーのシルバーエイト号の2等寝台より明らかに質は劣る。
八戸フェリーにはあった電源コンセントや机、スリッパなどはもちろんないのである。
外部との遮断はこのブラインドのみ。
安全のためには貴重品等は常に持ち歩かないといけない。
この1つ上のクラスに1等客室(インサイド)というのがあり、S寝台との差額が二千円だった。早割りだとおそらく千円なのかな?そちらだと完全に個室になるようだ。
ならばそちらにするべきだったろう。この時期ならば、2名利用の客室を1名で使っても追加料金が発生しないみたいだし。
次回からはそうしよう。
で、なんかテレビの音が聞こえない。
最初は聞こえていたような気がするのだが、リモコンを壁から外したら聞こえなくなった。
なんでリモコンを外したのかというと、迷惑防止用にイヤホンか何かが付属されてるもんだと思ってそれを探そうとしたのだ。
しょーがないんでインフォメーションデスクに不具合を伝えに行った。
・・・・・・。
やはり太平洋フェリーは女子社員を顔で選んでいるにちがいない。
この受付嬢は新垣結衣に似ている。
で、本人もそれを明らかに意識している。髪型がガッキーそのものだ。
ガッキーもどき、と呼べないぐらい顔立ちも整っている。
そのガッキーが、テレビの不具合を伝えると、ご丁寧に維水志のブースまで一緒に来てくれてあれこれ調べてくれた。
どーやらすぐに直せないらしく、部屋を換えてくれることになった。
や、優しい。
へぼい施設も許せる気分になってしまったじゃないか。
その後、ヒマなんで船内を少しうろついた。
やはりスケールだけは八戸フェリーよりでかいようだ。
なんたってあちらはバイクが4台だけなぐらい乗客が少ないようだったし、後でわかったことだが、こちらは仙台への乗客だけでなく名古屋まで行く人たちも乗っているのだった。
こんなショーまでやっている。
風呂は・・・、
今はきっと混んでる時間帯だからいーや。
明日の朝、早く起きたら入ることにしよう。
たぶん22時過ぎには眠ってしまった。
翌朝、例によって4時過ぎには目が覚めたので風呂に入る。
前にも述べたが24時間営業の風呂は衛生的に問題がありそうであまり気分のいいものではなかったので、すぐに上がった。
やがて朝食ビュッフェオープンの時間になった。
すでに行列ができていたのでほとぼりが冷めたころに利用することに。8時過ぎぐらいでいいだろう。
部屋に戻ってうとうとしていたら、食堂への入場制限のアナウンスがあった。
で、8時20分ぐらいに行くと、案の定、席に空きが出始めていた。
現金がもう底をつき始めていたので、ここはカードで支払う。
まだ昼食分を取っておかないといかんからな。
席へ案内されると、おひとり様なのに一番料理から遠い席に通されたわ。
嫌がらせか?ビュッフェなのに・・・・。
ま、まさか「こいつ、めっちゃ食いそうだから遠くにしとけ」と思われたのか!?
まあいい。気兼ねせずに写真も撮れるし。
うむ。どれもなかなか美味しいじゃないか。
海を眺めながら、ゆったりとした朝食。
これで千円は十分リーズナブルである。
うむ。どれもなかなか美味しいじゃないか。
海を眺めながら、ゆったりとした朝食。
これで千円は十分リーズナブルである。
あれ?
最後は窓側を向いている空いた特等席に座ってゆったりとコーヒーを。
時刻は9時。
あと1時間で仙台だ。
インフォメーションデスクにガッキーがいたので、最後に充電できるスペースはないか聞きにいった。
別にちょっかいを出しに行ったわけじゃないからね。
荷物をまとめて下船の案内があるまで携帯の充電をした。
仙台港が見えてきたね。
ところがここでミスをやらかした。
八戸フェリーのノリでバイクの停めてるデッキまで行こうとしたのだが、場所がわからん。
エレベーターが混んでいたので階段で降りたのだが、車が停まっているデッキが何階分にもわたってある。
とりあえず一番下までいったのだが、どうやらバイクはここではないらしい。
エレベーターに戻ると、自分の車を停めたデッキの場所を覚えておくようにと言う注意書きと「ここは○○」と、今いる場所を記した配布用のプリントが・・・・・・。
乗船したときも階段を使ったためにこれの存在に気がつかなかったのか。
慌てて元の階に戻って、バイクの場所を聞くと、なんと今いたところと反対側だということが判明した。
で、でかい・・・・、でか過ぎる・・・。
なんとか間に合いはしたが、慌てて積載をしなきゃいけなくなった。
とりあえず簡易的にセットして下船してからやり直す羽目になった。
他のバイクが勢いよく去っていくのをしり目に、維水志は日蔭のある場所も見つけられずに炎天下の中、ナビのセッティングやらなにやら10分ぐらい時間をロスしてしまった。
そんなこんなでようやく出発できる状態に。
そう。
すぐ近くに東北道の入り口があるのだが、その前に、
あの復興フラッグをこの目で見てみたい!
ということで、単身ライダーさんにだいたいの場所を教えてもらってナビに登録をしておいた。
ここから60キロ弱行ったところにそれはある。
このまま東北道に乗って帰れば、日曜の渋滞に巻き込まれることもなくスムーズに帰宅できるのはわかっていたが、せっかくだからどうしても見ておきたかったのだ。
国道4号へ。
おー。
交通量が多い。仙台は都会だよなあ。
水を得た魚のようにすり抜けながら順調に進み、やがて国道6号へ。
クルマ数が減るかと思ったらそうでもなく、意外と時間がかかる。
やがて目印のセブンイレブンが見えてきた。
ここを左折、と。
そして・・・・、
見えた!復興フラッグ!!
そうか、ここが・・・・。
胸が詰まる。
単身さんたちがここでゴミ拾いしてたのもここかな・・・・。
旅の最後に気持ちが引き締まった感じがした。
さあ、後は無事に帰るだけだ。
どうやら常磐道がまだ繋がっていないようで、高速道路の入り口は近くにあるものの、東京方面へはかなりの遠回りになってしまうのでそこからは乗れない。
ナビ示した、ここから一番近い東北道の入り口が逆戻りしなきゃいけないところだった。
今思えば、検索で出てくるのは直線距離で実際の走行距離とは違うのだった。
で、結局白石ICまで行ったのだけれど、すげー無駄だった気がする。
実際、後で地図を見たら、それと大差ない距離でもっと東京よりのICがあったのに・・・・。
「復興フラッグを見に行くなら帰りはここから乗ろう」と一度は調べたはずが、忘れちまったのだ。
11時45分。出立。
12時10分、山元というところで給油。
一応、道を聞くと、やはり逆方向を進められたが、今更また戻るのもしゃくなのでそのままナビの指示に従った。
12時55分、白石ICから東北道へ。
途中、確か安達太良SAでバイクから降りるだけの5分休憩を取った。
そこから気合いの100キロ以上で上河内SAに到着。
14時50分、給油。
帰りは何も考えずにひたすら高速道路を使って帰りたかった。
とは言え、神経を使う首都高を避けるとなると圏央道を使うしかないのだが、そうすると埼玉の陰謀に引っかかる。
つまり、未だ繋がらない圏央道の白岡菖蒲~桶川北本間で高速を降りて一般道を使うことになる、ということだ。
これらを解決してくれるのが北関東自動車道である。
これで関越道に乗ってしまえば埼玉の下道を使わなくてよいのだ。
しかも、東京が近づくにつれ渋滞が予想されるのだが、東北道と関越道だとたいていの場合、後者のほうが比較的渋滞が軽くて済むことが予想される。それは普段ラジオやテレビの交通情報を聞いていてそう思うのだが。
それでそこには給油所がなかったような気がするので、ここ、上河内で補給なのだ。
ここから自宅までは残り300キロ弱。これがこの旅、最後の給油となろう。
12回目だわ。
15時50分、北関東自動車の波志江SAで初めて本格的な休憩を取る。
案の定、途中で「関越道渋滞5キロ」の掲示板を確認した。
ここで長く休憩をすればするほど渋滞が伸びるのだろうけれど、さすがに腹減ったし疲れたんで仕方あるまい。
セーブオン、という聞いたことがないコンビニが入っている。
揚げシュウマイ?これが美味かった。
長い、と言っても20分ぐらいだったろう。
16時10分、波志江SAを出発。
うん。渋滞が15キロに伸びてら。
嵐山、高坂辺りが混んでいるのだ。
車の流れが50キロ以下になったところですり抜けを敢行。
細心の注意をして進む。まだまだ集中力は切れていないぞー。
背後から80キロ以上のすり抜け軍団が来たので道を譲る。
あれ、よく怖くないよなあ・・・。
まあこっちは60キロ程度だけれど、慣れると60も80も変わらんのだろうね。
でも維水志の技術ではこれが限界だ。
こっからは渋滞は皆無だね。
最後の気合いで100分走り、17時50分、厚木PAに到着。
自宅まではもう残り30キロちょっとだ。
ここんとこテレビで何度も放映されたからか、PAなのに交通整理の係員が出ていた。
バイクもたくさんいた。
それでも、ここはストレッチだけの5分休憩だ。
1日の走行距離を考えたらもう着いたも同然である。
かくして18時20分、維水志、無事に帰宅。
ただいまー(*´▽`*)。
結局、家で食べる食事が一番ほっとするのね。
6月29日(日)~7月6日(日)。
TCガチョウ倶楽部 ON THE ROAD 2014 IN HOKKAIDO
終了。
走行距離3,481キロ也。
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