見積り合戦 引っ越し編 ゲームセット!
最終回の攻撃。
四番、ショート、アリさん、背番号、8。
アークに続いてやって来たのはとっても元気な若者だった。
て、テンションが高い。
MAX明るい。
ガンガンアピールしてくる。
何でも、ここは現場の人間が営業を兼ねているそうだ。
だから、契約が決まれば、この営業の元気な兄ちゃんが現場にいらっしゃるということらしい。
ああ、だからこんなに元気がいーんだ。
そしてこちらはとてもオープン。
こそこそしない。
上司とのやり取りでも、席を外したりすることはない。
電話の相手の声の、「ちーっす!」みたいな返答も大音量でこちらに丸聞こえである。
サカイの兄ちゃんみたいな姑息なところがなくて好感が持てるじゃないか。
荷物チェックの際、前々回の時に利用したダックの段ボールが残っていたのだが、それを見つけると、
「あれ?前回はダックさんだったんですか?自分、ダックでバイトしてたことあったんですよ」
だ、そうで、バイトの初日、怖い人ばかりで「失敗した~」と思ったんだそうだ。
なるほど、やはりダックはアートの下請け、という話しは本当かもしれない。ヤバいのはみんなそっちに集めたのだろうか?
で、「引っ越し業なんかやめときゃよかった」と思ったその兄ちゃんが、それがどーゆーわけかまた引っ越し業界で働いているのは嫁の後押しらしい。
そんな微笑ましい?エピソードを話しながら、アリさんが最初にはじき出した金額は確か6万8千円だったかな?
で、それを言ったか言わないないかぐらいに「これは他社さんと比べて高いのは知ってます」と取り繕う。
まあ一応マニュアル通りやらんといかんのだろう。
こんだけオープンだとこっちもあけっぴろげにやれる。
これまで出た3件の見積り額を提示。
ここでも3万円代というのは相当安いらしく、あっけに取られていた。
でもやはり相手がサカイ、ということでこちらも相当気合いが入っているようで何とか値段を近づけようとアピールしてくる。
そして彼らのウリは、
「午前便で行ける」
ということと
「スタッフに日雇い素人はいない。しかも当日は今日下見をした自分が来る」
だった。
午前便なら指定された時間に来られる。サカイさんの午後便だといつ来るか分からないから不便だ、と言う。
さらに午後便だとスタッフはそれまで数件仕事をこなしてから来るから疲れている可能性が高い、とも。
うん。そりゃ確かに午前中にパパッとやってもらえたほうが楽は楽そうな気がしないではない。
またプロ集団、というのも魅力的だ。
まあそこはサカイさんとの差はないだろう。
これをアピールするときにサカイ、アリさん共通で言ってたのは「日雇いがいると物がなくなる事件が起きている」ということだ。
そ、そんな・・・。日雇いの人が全員盗人、みたいな言い方せんでもよかろうて。
まあそうやって顧客の不安を煽るのは営業の常とう手段だろうから仕方がない。
それで、やはりこの場での最終決断を迫ってきた。
午前便のほうが絶対にいいから、ここで決めてくれればその3万4千円よりは少し高くなるけどそれに近い数字を上司に掛け合ってみる、というアピールだ。
で、維水志は「この場では決められない」の一点張り。
いったん、見積り金額が全部出そろって、それで妻と話し合って最終結論を出したい、と伝えると、
「午前便の利点を考えて、ここで決断すれば何でもないことじゃないですか?奥さんが今いないなら電話で聞いてみたらどうですか?それにご指定の引っ越し日程は今ならトラックが空いてますけど後になったらもう埋まってるかもしれませんよ」と押し押しで来るのだった。
おいおい・・・。午前便、午前便って言うけど、たまたまその日は空白だったんじゃないんか?
そんなんが今日の今日で埋まるかよ、と突っ込むと「いやあ、今この時間にも8人が営業で出回ってますから」と返してきた。
ふん。その8人が今相手をしている顧客の引っ越し日程が数時間後に維水志のそれと被る可能性はどれくらいよ?平日よ?
まあそんなのは明白過ぎて突っ込むのが可哀想なくらいだから止めておいたが。
とにかく、だ。
こっちの希望は後で話し合って決めることなのだ。だから、
「この場ではっきりした金額を提示できないなら、それはそれでサカイさんにするから別にいい」と言った。
そしたら引き下がった。
電話で上司に「ダメでーす」と報告している。
どーやらそこで金額を出してしまうと、今度はそれをエサにして、維水志がサカイにさらなる値段交渉を持ち掛けたりするかもしれない、という懸念を抱いたのだろうか。
もちろん、そんなこたしないさあ。
これまでの他社の反応を見ていて、どーやらこの3万4千円ていうのは破格だということがわかったからである。
だとしたらサカイ・アリさん級の引っ越し業者にそれ以上の価格引き下げ交渉するのは無意味である。
向こうにしたって、そんな儲けにならない仕事を無理して取ったところで何になるのだ?
それだったら撤退したほうが賢い、と言えるかもしれない。
それゆえの、あのアートの引き際だ。見事なこと。
むしろ、貧乏くじを引いたのはサカイなのかもしれない。
あの営業の兄ちゃん、あんな金額出してだいじょぶだったんだろうか?とさえ思う。
うむ。
これで決まったな。
引っ越しは「サカイ」だ。
もしかしたら自分の中ではもうサカイさんに決まっていたのかもしれない。
だとしても、こうして実際に各社の話を聞かないとわからんこともあるから無駄ではなかった、と思う。
面白い話もいっぱい聞けたし。
う~ん、このスキルをもう二度と使わないのはもったいないなあ。
まあこうしてブログに残したから良しとするか。
アリさんの元気のいい兄ちゃんは、それでも一応は見積書を書いていかなければならないらしく、「あ~あ、ここの引っ越し、やりたかったなあ・・・」とブツブツ言いながら書類を埋め、帰る時も潔く、元気に帰っていったのだった。
ここがトップバッターだったらどうだったんだろうか?
順番も重要だよなー。
かくして10月下旬。
維水志、最後(たぶん最後)の引っ越しが行われるのだ。
落ち着くのは11月に入ってからかしら・・・・。
もう今年はロングツーリングはダメだにゃ、こりゃ。
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