一瞬の心の緩みが・・・・。
神威岬から30分ほど走った東積丹に、魚介の直売所があるのを前日マイハニーが見つけていた。
ここでミョウバン漬けではない、新鮮なウニをお義母さん達のお土産として購入する。
うむ。これだけあればウニ丼(小)ぐらいは自宅で楽しめるにちがいない。
一番小さい発泡スチロールに箱詰めしてもらえば本日中にお持ち帰りでもだいじょぶだろう。
保冷材をオマケしてもらった。
北海道ツーの際は、厚岸で獲れた牡蠣と花咲ガニを、厚岸で購入し、厚岸から直送したのだ。
なので今回も積丹で獲れたウニを積丹で買い、そのままお持ち帰りするのが正しいと言える。
小樽で買わなくて正解。
うん。これでお土産問題が一つ解決したね。
次はブロ友さんへのお土産。
ここからほど近いところにさくらんぼ農園があるらしい。
小樽で試食してもらった南陽だったか?そんな名前のさくらんぼがめっちゃ美味かったんで、こちらも産地直送便でお届けするのが一番だろう。
それでまあ農園に向かったんだ。
途中、NIKKAとでっかく書かれた倉庫みたいのが見えてきた。
マイハニーに指摘されてそれだと気が付いた。
あら、知らないうちにここの前を走ることになるなんて。
行きには前を通らなかったし、昔来たことがあったが、記憶違いをしていたようで、こんな街中にあるとは夢にも思わなかった。
ホントはここもじっくり訪れてみたかったのだが、北海道に来ると課題が山積みになるのは、やはり欲張りすぎて計画に無理があるからに相違ない。
1日、いや1泊2日で観光地一つ、ってのを普通プランにすべきである。
学んだ。
やがてさくらんぼ農園に到着。
車整備のおじさんたちが出ていて、「違います」って言ってんのに2回も「さくらんぼ狩りですか?」と問われるのだった。
まあでもそんだけ盛況なんだね。
美味しかったもん。無理はないわ。
さあて、小樽であんだけ美味かったんだ、現地ならどんだけ美味なのさあ?
試食する。
・・・・・。
?なんじゃこりゃ?
試食のどれを食べても美味くない。
マイハニーの見解では、さくらんぼはもう時季外れなんじゃないか、と。
けどじゃあなんでこんなにさくらんぼ狩りをしに来る人たちがいるのかしら?
そして小樽のさくらんぼはなぜあんなに美味しかったのかしら?
謎は残るが、さすがにこれをお土産にるわけにはいかないだろう。
それでここへ来る途中にフルーツパーク的な看板を見かけたので、そっちへ行ってみることにした。
そこでもめぼしいものがなければおそらくさくらんぼは手に入らないだろう。
実はここからすべての歯車が狂いだしたのだった。
ナビのせいで。
本当は黄色い線が、フルーツパークまでの正しい道のりだったのだが、悪魔のナビが赤い線を示したのだった。
え?ここ?こんな狭いとこ入るの?
これはグーグルから拝借した写真なのだが、これは2012年の、しかもまだ雪が残っているバージョンだ。
実際はもっと木が生えていて、もっと狭く見える。
どう見ても先が行き止まりのようなのだが・・・・。
だが意を決して坂を上っていく。
が、案の定、行き止まりであった。
Uターンできるスペースすらない。
こ、この狭い一本道をバックで下がるんか。
まあ維水志の腕なら別に問題ない。
この過信が災いを招くのである。
ほんの、一瞬の判断ミスで多大な損害を被ることになる。
写真では道路が途中までしか見えないが、実際はそこにカーブがあり、右奥まで道が続いている。
維水志はすでにそこを曲がった先まで進んでいる。
つまり、戻る際、バックでカーブを曲がらないといけない。
また、写真では両側が平坦になっているが、現在は右側がかなりな急勾配になっていて右側を脱輪すると車ごと転がってしまう危険があるのだった。
カーブの手前まで下がった際、マイハニーが降りて確認しようか?と言ってくれたのだが、維水志的には右さえ脱輪しなければ問題ないと、その言葉を制し、そのまま下がることにした。
要するに左に大きく曲がればいーのである。
これが油断である。
我々が乗っているのはレンタカーである。
自分の車ではないのだ。
何故、もっと慎重にならなかったのだろう。
安全だと思っていた左側に、あってはならないものがあった。
側溝である。
写真でははっきりと確認できるが、夏の今では草で覆われていて、上る際にも気が付かなかったのだった。
慎重にハンドルを切りながら下がっていると・・・・・。
がくんっ!
ばこっ!
!!??
へ?
ななななななな・・・。
なに?今の衝撃?
すぐに車輪は道へと乗りあがったようだが、前を見ると、溝が見えたのだった。
ぜ、絶望的な音が・・・・。
心の整理ができないまま、本来への駐車場へと移動する。
マイハニーがお土産を見てくる間、維水志は車をチェックする。
ああ、バンパーが浮いちゃってら。
あ、でも待てよ。
もしかしてうまくハメられるパターンかも。
見ると、バンパー自体に傷はない。
以前、ティーダに隣りの家から雪の塊が落ちてきてバンパーが外れてしまったが、ぶった切れたリベットの代わりにネジを使うことで、うまくバンパーが元に戻り、そのまま走行してもなんら問題なし、ということがあった。
一縷の望みをもってタイヤカバーのあたりを調べてみるが、
だ、ダメだ。
1か所のリベットがダメなせいで、若干バンパーが浮いてしまう。
他の箇所のリベットを外してこっちに付け替えるか?
とも思ったが、自分の車じゃないし、もう諦めるしかないのだった。
なんでこんなかなあ・・・・。
これって・・・。
もしかして、借りる際、ワイド補償に入っておけばなんら問題ないことだったかしら?
そう考えると悔やんでも悔やみきれない。
一応、レンタカー屋でもらった補償関係の書類を読むがよくわからん。
事故ったら必ず警察に連絡を入れろ、と書いてあるが、これって事故なんか?
否、こんなんで警察呼んだら怒られるにちがいない。
ショックで頭が良く回らんが、一つだけ間違いない事実があるのはわかる。
余計な金がかかるということである。
あんだけ飛行機代や宿泊費を削って食べ物につぎ込もうと努力をしたのに、結果はこんなことでパーになってしまうのか?
しかも、一体いくらかかんだろう?
バンパー交換なんてことになったら5万はくだらないんじゃないだろうか?
なんかもう、自分が嫌になって仕方がないのだった。
だが落ち込んでいる場合ではない。
これまで楽しかった北海道旅行が、ここで落ち込んだら後味が悪すぎるではないか!
せめて楽しい終わりを迎えないといかんのだ。
だから費用のことは目をつぶろう。
もう忘れるのだ。
だが、一応レンタカー屋には連絡を入れておこう。
って、出ないし。
そうこうしているうちにマイハニーが戻ってきた。
結局、ここでもお土産に相当する品はなかったようである。
「あの一瞬の油断がなけりゃ・・・」
「さっきまでとっても楽しかった旅行があの判断ミス1つだけで天国から地獄へ・・・・」
「なんで言う事を聞かなかったかな・・・・」
何度も何度も転げ落ちていきそうになる心を、何度も何度も捕まえて支えながら、とりあえずお昼を食べて考えよう、と先へと進むのであった。
自走はできるレベルだけに、ホント、バカらしいのだった。
つづく。
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