ネコネコ・インパクト 後編
昨日の続き。
東京駅八重洲口に車を停車させ、「じゃあ後は頼むね。気を付けて」とマイハニーに後を託し、財布とスマホを持ったことだけを確認して車を去り、走って改札口へ。
この時、なぜもっと持ち物の確認をしなかったのだろうか?
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新幹線の特急券売り場の自販機の前に並ぶ。
クソサラリーマンがぐずぐずとしやがってなかなか順番が回ってきそうもない。
ここでまたイライラが再発する。
なぜか隣の自販機が空いているので、すぐ前に並んでいる人に「こちらが空いてますがいいですか?」と尋ねると、そちらはクレジット専用なので結構です、と言われた。
そーゆーことか。現金で買いたかったが、クズ二人がグズ過ぎてこれ以上待たされるのはもううんざりだったのでカードで切符を購入。
さ、三千円以上かかった・・・。
とにかくもうあと10分ぐらいしかない。
本当は「10分ぐらいもある」のだが、この時の維水志には「しかない」にしか思えないのだった。
領収書を含めて自販機から出てきた切符と思しき3枚のうち2枚を改札機に放り込むとゲートが閉ざされて拒否された。
しょーがないんで係員がいるほうの改札口へ行くと、「この一枚だけ入れればいいんですよ」と言われて、もう一枚のほうを確認したらクレジット決済の明細書でやんの。
そりゃ通れんわ。
もう全てがこの調子で何一つスムーズにいかない。
そんなんだから、14番線が地下のすんげー遠いところにあったらどうしようと思いつつも、さすがにトイレだけは行っておこうと思ってトイレに行く。
安堵したことに、14番線は意外と近いところにあり、エスカレーターを上がっていくとすでに車両もあった。
遠いのは東北新幹線用のホーム?それとも品川駅?だったかしら。
とにかく一番近くの自由席車両に乗り込み、席も確保できた。
出発5分前でやんの。
はあ~・・・・。
やり遂げた~。
やがて定刻通りに電車は出発。
・・・・。
ん?
あ、イケね、定期を車ん中に置いてきてしまった。
あちゃー。こりゃ職場からの帰りに切符を買わないといけなくなった。
む、無駄な出費がまた・・・。
まあもうそれぐらいならどーでもいーや。
さあて、慌ててイラついたストレスを解消しよう。
駅に着いてから始業まで25分もあるからなー。
ここはスタバでチョコチャンク食べちゃおうっかな?
それとも箱そばで天ぷら蕎麦を食べちゃおうっかな?
・・・・。
!!
イケね。
か、鍵も車ん中だ!
オフィスに入れないんですけど・・・・。
やっちまった。
マイハニーの車はすでに首都高を激走中だろう。
連絡したところで鍵を手に入れられるわけもない。
どーにもならん。
ああ、そーいや車のキーも維水志が持ったままだった・・・。
マイハニーはスペアキーを持っているのだろうか?
エンジンさえ切らなければキーがなくても走り続けられるのかしら?
もしないとしたら、このまま動物病院に駆け込む予定だから、その後、家まで帰れんじゃないか。
いつも彼女は彼女でキーを携帯しているからたぶんだいじょぶだとは思うのだが・・・。
そ、それにしても・・・・。
もお~。
俺のバカ、バカ、バカ、バカ、バカ、バカ、バカあーーーーーーーーーーーっ!
う~。
数分前の高速道路上で渋滞してた時の車内のやり取りの光景が走馬灯のように目の前を流れる。
「家の鍵は持ってる?持ってないならオフィス以外の鍵を置いていくよ」
そう言いながら、定期を後部座席から前に移し、確認していた。
なのになぜ全部吹っ飛んだ?
給油時あたりから慌てだした、あれがいけない。
あれが全ての元凶だ。
財布、スマホより、何よりもまずオフィスの鍵だろうが!
それさえ頭に入っていれば、おのずと定期や車のキーのこともちゃんと思い出せたはずなのに・・・。
仕方あるまい。
もう終わったことだ。
オフィスの鍵はすぐ近くに住まいのあるはずの大家さんに連絡して鍵を貸してもらうしかあるまい。
なに、20分もあればなんとかなろう。
ただし、それは大家さんが在宅であることが条件なのだが。
鍵忘れに関しては何回も、とまでは言わないが数回はあり、いずれの場合も在宅されていたからこれまでは100パーセントの成功率ではあるが、これもまた一発勝負だなあ・・・。
!
で、電話番号が・・・・。
スマホを替えたばかりじゃ・・・・。
あわわわわわわ・・・。
恐る恐るスマホの連絡帳を開く。
上から順番に名前を確認しながら上方向へ画面を滑らせていく・・・。
あ、あった。
あった、大家さんの電話番号!
なんで?
スマホを替えたばかりなのに?
g-mailでログインしてるということはそーゆーことなの?
けど、大家さんとのやり取りは電話だけなんだけど・・・。
よくわからんが、九死に一生を得たのだ。
この日、最高のラッキーはこれだったろう。
駅に着く前に靴紐を締め直す。
降りると同時に大家さん宅に電話をかけ、近いであろう自宅の住所を聞いて走って行かねば間に合わん。
着いた。
電話をかける。
コール音。
な、なむさんっ!
「はい、もしもし」
た、助かった・・・。
重々詫びを言いながら住所を伺いそちらへ向かう。
有難いことに、近くまで自転車でいらしてくださるとおっしゃる。
いい大家さんでよかった。
着いた。
始業10分前だった。
終わり良ければ総て良し、なのだろうが、この日の維水志はもう終わっていた。
プロの仕事人としては機能していたが、人間としてはまったく機能していなかったろう。
心が死んでいたはずだ。
自分のアホさ加減に辟易とし、翌日からの激務を考えるともう完全に心が閉ざされた。
それを少しだけ和ませてくれたのは・・・・、
自宅に戻ったらいた、こいつのとってもかわいい姿だった。
やあ。
ようこそ、わが家へ。
今日からキミも維水志家の一員だよ。
ネコネコ・インパクト 完
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