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維水志ナイトメア 後編

見知らぬオヤジに羽交い締めにされる維水志。

抵抗しようにも体が言うことをきかないのだった。

なぜだか、足先が特にしびれていて、移動もできん!

ど、どーすんべ?

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と、そこで悪夢から覚めたのだった。

ふ~っ・・・。

い、一体、何だったんだ、今のは?

妙にリアルだったが・・・。

真っ暗闇の中、あおむけに寝たままが目が覚めたのだが、自分の両足元に何かの重みを感じる。

「ああ、そうだ、寝る前にネコのちゅーたが足元に来て寄り添っていたな」

そんでそのまま維水志の左足の甲辺りをまくらにして寝ちゃったまでは、自分が寝入る前に確認していた。

ところが悪夢から目覚めた今は右足にも、左足のそれと同じぐらいの位置に重みを感じる。

「はは・・・、ぴよ丸も一緒か」

うちにはもう1匹ネコがいる。

いつもはマイハニーにくっついて寝ているぴよ丸が、今日は維水志のほうに来ているようだ。

「今日はモテモテだな」

夢うつつの中、その重みを両足に感じながら、

「も、もしかして、この重みで足が動かせないから、あんな悪夢を見たのかも・・・」

ネコがこうして寄ってくると、じっとしてないといけない、という気持ちになるのだ。

動いちゃうと離れて行ってしまうことがある。

せっかく、あのモフモフを肌に直に味わっているのにもったいないじゃないか。

寝入る前にちゅーたが来ていたのは知っていたから、「じっとしていないといけない」という気持ちを持ったまま眠っていたようだ。

目が覚めても寝入る前と同じ姿勢だからわかる。

こう、ちょっと足を30度ぐらい開いた感じで。

寄りかかられてもそんなに重くはないのだが、なんか、ずっと同じ姿勢だったからか、さすがに両足先にしびれを感じつつあった。

けど動かんぞ。もうちょっとこのままモフモフを感じていよう。

で、暫く「なんであんな夢を見たかなあ・・・」と、つい先ほどのナイトメアの内容を思い返していた。

一通り思いを巡らしてみたら気が済んだか、一体、今、ネコはどんな格好で維水志の足に寄りかかってんだろ?

と、そっちが気になって来た。

頭上にあるスマホを手に取り、明かりを得るために画面をオンにする。

暗闇の中だ、ネコの姿を確認するにはそれだけの明かりで十分である。

そして、下半身を動かさないように、そぉ~っと上半身だけ起こす。

・・・・。

!!

右足にいるはずの・・・、

ぴ、ぴよ丸が、

い、いない・・・!

左側のちゅーたはいる。

ぴ、ぴよ丸は?

マイハニーの足元にその姿を確認。

え?

ええ?

えええ?

で、ではこの右足に今も余韻が残る、こ、この重みは、

な、な、

なんなんだーーーーーーーーーーーっ!

もう一度あおむけに寝る。

久々に鳥肌がたった瞬間だった。

それも2回ぐらい・・・。

ぞぞぞぞぞぞぞ~、ってのはホント、久しぶりだったわ。

これで右足に手の跡かなんか付いてたら、そりゃあもう悲鳴もんだったろう。

それこそ「ミステリーゾーン」である。

こ、怖くて確認できなかったさー。

怖いけど、そのまま寝たさー。

いやあ・・・。

それにしてもホント、なんであんな夢かなあ・・・。

こりゃ何かの警告かしら?

確かに、顧客とのセッション中に、暴漢野郎が侵入してくるってことがないわけではないだろう。

そうしたら維水志が顧客を守らないといかん。

う~む。

ドアにカギ、かけるかな。

それともバットか何かを手元にいつも置いておくべきだろうか。

何か対策が必要だ。

<終わり>

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