浜松ツー終章 富士みそ焼きそば
維水志:「こんにちはー」
店主:「はい、いらっしゃいませー」
維「ここは食事だけでもできますか?」
主「はい、だいじょぶですよ」
維「えっと、つけナポリタンをいただきたいんですが・・・」
主「!・・・。つけナポリタンですか。うちはやってないです」
維「!???・・・。え?」
主「つけナポリタンはうちのライバルですから。うちは焼きそばです」
維「へ????」
主「つけナポリタンなら反対側のお店で出してますよ」
維「あの・・・。こちらでつけナポリタンがいただけるってタクシーの運ちゃんから聞いて来たんですけど・・・」
主「え???どこのタクシーですか?とんでもない!」
維「すぐそこの・・・です」
一気に雲行きが怪しくなってしまった。
一体こんなことがあるのだろうか?
これ、すべて実話なのである。
整理してみると・・・
第1打席:
とんかつ「幸楽」を昼営業時間ギリギリ過ぎてしまいアウト。
第2打席:
走ってた国道が同じ名前なのに二手に分かれていて、それを違う方角へ向かう道を選び空振り三振。その際、食べるつもりだった餃子屋「福みつ」にも行けず三振ゲッツー。
第3打席:
通常、確実なはずであるタクシーの運ちゃんからの情報をゲットし、つけナポリタンを食べようと意気揚々と入った店は焼きそばの店でアウト。
3打席見事に凡退で、一人でアウトを4つも取ってしまった。
2軍落ちである。
ここまでくると、なんかもう自分でもおもしろくなってしまい、どーせならつけナポリタンもこのまま食えずに帰らなきゃいかんだろ、と思った。
維「じゃ、折角だから、その『みそ焼きそば』いただこうかな?」
主「そ、そうですか。じゃ、どうぞおかけください」
と、なった。
すると、なんだかおもしろい話しが聞けた。
なんでもテレビ東京の「テレビチャンピオン」という番組で町興しのためのB級グルメを決定する対決があったのだという。
そして最終決戦が「つけナポリタン」vsこの店「佐重(さじゅう)」の「富士みそ焼きそば」だった。
この対決にはそれぞれの店にラーメン界の巨匠がアドバイザーとして参戦した。
佐重には東京で超有名な「九段斑鳩」の店主が、そしてつけナポリタン側には「つけ」だけにこちらも東京で超有名なつけ麺店「めん徳二代目つじ田」の店主がついた。
結果は「つけナポリタン」側の勝利で終わり、それ以降、市全体でつけナポリタンを推すようになり、今では市内の数十店がつけナポリタンを出すようになった。
それゆえ「関東ゼロ円まっぷ」に「名物」としてつけナポリタンが載っていたのだろう。
一方、敗れたこちら富士みそ焼きそばを出す店は他にない。ここ「どんぶり割烹 佐重」だけなのである。
そんな話しを聞いたら逆にラッキーだったんじゃなイカ?と正直思った。
だって、間違えなかったらたぶん一生この焼きそばの存在を知ることはなかったわけで・・・。
カウンターの向こう側で鉄板で焼きそばを炒める音を聞きながら「富士みそ焼きそば」の説明が書かれているパンフを読んだ。
この名前からすると、味噌味の焼きそば、と誰でも思うだろう。
ところが実際はネーミングとまるで一致していない。
さすがラーメン屋のアドバイザーがついていた、ということもあってそのソースは鶏がらスープとロブスターの頭から取ったスープがベースとなっているのだそうだ。そして普通の味噌も使われている。
で、結局イメージが違い過ぎるからだろう、後にサブネームがつけられて、別名「ロブスターソース焼きそば」とも言うんだそうだ。
維水志的にはそう聞くと今度はロブスターの身が入ってそうなイメージを描いてしまうので微妙な感じがする。
ロブスターの身でではなく桜エビが入っているし「海老味噌焼きそば」のほうがいーんじゃね?
ほどなく海老の濃厚な香りがしてきて・・・・
きたーーーーーっ!(*☆▽<)w 温泉タマゴ付きは800円。
てっぺんのシラスは富士山をイメージしているのだそうだ。
味わってみると、やはり海老の香りがたまらない。麺はひらうち麺で、いまやメジャーなあの富士宮焼きそばともまた違っている。
お好みで途中で味を変え、粉チーズやニンニクチップを混ぜて食べるのだそう。
このうちニンニクチップが歯ざわりのいい食感とあいまってさらにおいしくいただけた。
何でも最近、お取り寄せ用に冷凍パックを開発したらしいので、お土産にそれも購入した。おいしかったし。
つけナポリタンには出会えなかったが、代わりに素敵な出会いがあったのだった。
帰りはそこからすぐの東名富士インターから足柄SAで休憩をはさみ、一気に大井松田まで。9時には帰宅した。
走行距離420キロ。今までの最長記録となった。
信じられないくらいの空回りの連続だったが、思えばなんだかとっても楽しかった気がするのはなぜだ?
そりゃきっといろんな出会いがあったからなんだろう。
一体、何人の人に道やお店の情報を尋ねたろう?
コンビニ店員、日本平のおっちゃん、通りのおばちゃん、白バイ隊員、タクシーの運ちゃん・・・・。たくさんの顔が浮かんできた。
きっとナビと会話するよりこちらのほうが断然印象深かったに違いないのだ。
そして何より、
バイクに乗ってんのが好きなんだ。
13時間外出していて、おそらくそのほとんどの時間がバイクに乗ってる時間だったろう。
それでも飽きない。
すげー疲れたんだけども。(; ̄д ̄)/
↑最後まで読んで頂きありがたき幸せでごんす(@^0^@)
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