外伝3 喜多方ラーメンと詰めの甘さ
さて、この道の駅「たじま」からはほぼ一本道で会津若松まで行けるのだ。
もうすぐ11時になる。
めざす会津若松の喜多方ラーメンまであと60キロ。約90分とみた。
12時半に昼食。1時にそこを出よう。
そこから最終目的地のフォレストパークあだたらまで65キロなのだ。
たぶんここも休憩なしで90分だろうから、3時前にはキャンプ地に入れるはず。
ちょーどよいではないか、よいではないか。
当初の計画では2時ぐらいに現地入りしたかったのだが、まあ3時でも設営、買出し等を含めて宴を始めるまで十分な時間を確保できるだろう。
もちろん、温泉も入れる。
リフレッシュして道の駅を颯爽と出発し、そんなことを考えながら走っていると・・・。
・・・・・。
・・・・・。
・・・・・。
ね、眠い。
い、いかん、ときどき意識が無くなるやんけ。バイクに乗ってて意識が飛ぶってありか?
ゴールが見えてきて安心したのか、それと、順調に進んではいるのだが、クルマの後ろを走ることほど退屈なことはない。
まずい。どこかで休憩を取ろう。
何度か意識が消えたが、途中、工事で一車線規制があり渋滞にはまった。
一応、後ろの隊長に「行っていいですか?」と断りを入れてすりぬけを開始する。
そこで再び緊張感が出たのか、復活した。
もうあと10キロぐらいだ。
えーーーい、このまま行っちまえ!
途中、信号待ちでkazuさんが「さっき牛乳屋食堂がありましたね」と言う。
牛乳屋食堂。
当初、昼食はここの予定だった。
だが、昼食後の残りの行程がそこからだとまだ80キロ弱を余してしまうのだった。
それはちょっと重たい気がしたので、最終的に、できるだけゴールに近いほうの店に決めたのだった。
会津若松駅が近づくにつれて、さすが日曜日、道路も混み始めた。休憩なしで気合を入れてそのままラーメン屋に到着。
が、これが後々、隊長の語り草となってしまった。
「維水志さん、休憩しない、しない。休まない、休まない。いい景色があっても全然止まらない」
とさんざん言われる羽目になったのだった。
ええ。否定しません。確かに止まりませんでしたわ。
それには理由が一つあって、影丸にいくら乗っていても肩が凝ってこないからだった。
いつもだったら150キロを越えたぐらいで肩がピキピキして痛いぐらいなのに、今回はまるでそれがない。
150キロ?そんなのは当の昔に越えている。先ほどのたじまあたりでもう270キロぐらいになっていたはず。
これは肉体改造が成功したのか?
キャンプ前、腹筋・腕立伏せをやっていたのがよかったかもしれない。もしかしたら、積載の荷物がちょーどよい腰当になっていて、力が分散されていた、ということもあるかもしれない。
いずれにしても疲れが来ないのが嬉しかったのだ。
タイガー800に乗って仙台に行ったときより疲れないのだ。大型バイクでなくてもイケるのさー。
ただケツは痛かった。
そして12時半前に会津若松の喜多方ラーメン「来夢」に到着したのだった。
それなりにおいしかった。
なんと隊長はこのラーメンを残すのだった。どんだけ食が細いんだ?
1時前に再出発。
ところで隊長に給油はだいじょぶか?と幾度となく聞くのだが、全然問題ないという。
なんと、ガチョウさんの航続距離は500キロだというのだ。
500キロって・・・・。
クルマじゃないんだから・・。すげーな、それ。
そして今度は慌てる必要もないので少し走ってコンビニで休憩。
1時40分。
単身ライダーさんに「40キロ手前まで来ました」とメール。
ガチョウさん、まだ平気だけど一応ここで給油。
そして2時10分。
道の駅「つちゆ」に到着。ちゃんと休憩を入れる。
この90分前に単身さんから「今つちゆにいます」というメールをもらっている。
今頃もうテントも設営し、我々が来るのを待ち構えているころだろう。
いやあ・・・。こりゃ2時半にゃ着いてまうがな。
ただ、維水志。ここらあたりからもう詳細な地図を描いていない。
地図準備のとき、もうここらあたりで力尽きたのだ。
と言うより、もう必要ないっしょ。
だって、そんな有名なキャンプ場だもの。
ここまで来たら近くにいくらでも道路標識、あるよね?
あるだらうね。そうだらうね。
一応、ナビ装着のkazuさんに確認してみる。
「もうそのまままっすぐ行ってだいじょうぶです。ご自分のペースでどうぞ」
「ですね」
最後の気合を入れ、
「影丸号!維水志!でまーーーーーーーーーっす!」
と、ホワイトベースから出るがごとく、バビューーーンっ!と道の駅つちゆを発進!
下る、下る。
お?隊長は?間にクルマに入られちゃった。
まあ、いーか。
下る、下る。
?
??
だいぶ間が空いちゃったかな。もうそろそろ隊長を待ったほうがいーよね。
それにしてもだいぶ現地に近づいてるはずなのに「フォレストパークあだたら」の標識がない・・・。
もう10キロぐらい下ったか。
坂を下りきったあたりでバイクを停め、暫く待つと携帯がなる。
「ま、まさか、道の駅を出るとき転倒しちゃったりしてないよね」
電話に出る。
はい、道、
間違えました。はは・・・。
とにかく道の駅を出てすぐに曲がらないといけなかった、と電話の向こうで隊長。
なんで?
なんで、標識ないの?
え?
見過ごした?もしかして・・・。
なんでなんだよ~!!!
来た道をひたすら戻る。
もうクルマを何台ぶっちぎったかわかんないね。
福島の皆さま、すみません。湘南ナンバーのNinja、乱暴な運転しました。
間もなく隊長を発見。
それからはナビ付きの隊長に先導してもらう。
修正した道はなんと!
道の駅つちゆのちょうど裏側にある道ではないか!
もうね。自分が嫌になったね。
はい、維水志、ここで往復20キロのロス。
待合せ場所でやはり往復20キロのロス。
はい、維水志、一人で余計に40キロ走ってます。
アホや。
間もなく、道脇にカタナ発見!
見覚えのある姿!単身ライダーさんだ。
遅いから心配で迎えに来てくれたんだ、と思ったら、草むらに隠れていて脅かそうと思っていたらしい。
その姿を想像するとちょっと笑ってしまう。
だがそんなお茶目な単身さんの遊び心も、維水志の意味なし往復20キロのせいでふいとなってしまったのだった・・・・。
ごめんね、ごめんねー!
こうして無事に(?)
三人が合流し、伝説のガチョウ倶楽部が誕生したのだった。
結局、現地到着は3時をまわっていた。
維水志、家を出たのが朝の4時過ぎ、現地到着が15時過ぎ。
11時間で450キロ走りました。
それでもほとんど疲れなかったのはどうしてなんだろう?
↑最後まで読んで頂きありがたき幸せでごんす(@^0^@)
「いやー、一緒に走るのは是非ご遠慮願いたい」「休憩は大切だ」などなど、いろいろと感想もおありでしょうが、クリックひとつ是非とも恵んでくだされ~o(〃'▽'〃)o