昭和ノスタルジアの続きの続きの続き
昨日の続き。
あれは高三の時だったかしら?否、高二だったかな?
当時はまだビデオカメラなんぞ普及していない時代。
いわゆる8ミリフィルム?
そこにまた新たな可能性が秘められていたのである。
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高校生になって友達の輪が物凄く広がり、行動範囲も行動力もだいぶ大きくなっていた。
そんな中、また面白そうなイベントが友人宅で行われるというのを耳にした。
「上映会」だそうだ。
そいつんちは電化製品がいつでも最先端を行っていて、8ミリフィルムの撮影機器があるらしい。
実際、文化祭の貴重なバンド演奏の映像など、彼のお陰で未だに残っているのである。
それはそうと、撮影だけでなく、出来合いのフィルムもそれを使えば自宅で上映できるのだそう。
彼の自宅、それも新築の大きなお家で、大人数を招いての上映会が行われるのだ。
なんでもその日はそいつの中学時代の仲間グループ、つまりは他校生までやってくるらしい。
ちなみにそいつらは維水志の学区だと、維水志の高校より一ランク上の学校の連中である。
当日、20人前後の健全な男子高校生が集まった。
今でいう、コンビニのようなお店を経営しているそいつの自宅で、飲み物やお菓子が食べ放題、雑誌も読み放題という、まるでパラダイスのような環境での貴重な会だった。
で、まあ何が上映されるのかというと、ブルーフィルムと呼ばれる洋物の映画である。
つまり無修正モノ。
ロマン座とは違うのだよ、ロマン座とは。
無修正モノの映画とはどんなに凄いものなのか?
ビニ本も無修正だったが、あれは映像が動かないのである。
ロマン座の、さらに上を行くであろう刺激が待っているに違いない。
期待を膨らませて彼の家へ向かう。
もうすでに結構な数の人が集まっていた。
一体、そいつんちの親は、これから始まる宴の内容を知っていたのだろうか?
高校生男子が20人近くも集まって!
どうやらそのフィルム自体が親経由で入手されているらしかったから、たぶん知ってんだろうと思われた。
ならまるで気兼ねする必要もない。自由だ。
いよいよ時間となり、皆、大きな部屋に集められた。
白い壁がそのままスクリーンになる。
部屋を暗くする。
カタカタ・・・という音と共に壁になにやら映像が映し出されようとしている。
皆、固唾を飲んで埃が舞い踊る光の先を見守る。
おお!外人だ!
映画館と違い、そこには初めて顔を合わせる者もいるが、基本、同士と呼べる連中なので、反応がストレートに出ていちいち面白いのだった。
まあたいていは「気持ち悪い」というのが最初の反応だった。
実際、それが外人で馴染みのない分、異世界の生物の交わりにしか見えないのだった。
結果はなんか、興醒めし、期待したほどではなかった。
ロマン座ほどの興奮もなかったし、ポルノ映画のほうが断然いいと思えた。
けども、こうしてバカな連中で集まって、驚きを共有できた喜びはかなりあった。
これが健全な高校生男子なのだ、と思えたのである。
そんな連中も立派に成長し、今ではほぼみんなが家庭を持つに至る。
この中から異常な性犯罪者が出たこともない。
きっと、あれはあれで立派なアヲハルの一ページだったに違いない。
今の若者はどーだろう?
こんな馬鹿らしい楽しみを一番仲の良い連中と分かち合う機会ってあるんだろうか?
あるんだろうけども、規模は小さかろうな、きっと。
こんなことを思い出してみると、昭和って、ホント不便な時代だったと言えるんだろうけども、それはそれなりのメリットがたくさんあったんじゃなかろうか。
特に社会勉強や人との交わりに関しては役に立つことが多かったと思う。
だからかなぁ。
くだらない話で盛り上がれる倶楽部活動は楽しくてしょーがないんだ。
便利過ぎるのは、人間を退化させちゃうんじゃないのかしら。
こうした経験を持っている昭和人間だからこそ、全面的にデジタル化に踏み切れない部分があるような気がする。
少なくても維水志はそう。未だにアナログ人間だ。
と、こんなくだらないことを通してでもそう思えちゃうのだった。
昭和ノスタルジア
<終わり>
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